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この二年くらい試合には出ないでバットを握って素振りだけして、まったく成長してないと痛感する。「コロナのせいで生きた球を打っていない」という言い訳もできるだろう。それはそうだ。とはいえ、問題の本質は、人間がたいして成長しないことにある。そもそも出世というのは演出であるし、たとえば、平社員→係長→課長→部長と役職が変わるとしても、これは予定調和である。能力がパワーアップした結果ではない。能力そのものはパワーアップしないし、むしろ加齢で退化する。人間は活動するしかなく、それがゆえに木村花さんの悲劇もあった。生きていれば成長したわけでもないだろうが、活動の積み重ねに何かしらの価値はあったはず。人生の重大性というのは人間的な感覚であるし、人という生き物の幻想でしかないが、とりあえず生命体として、われわれは石ころではないので、人間的な重大性を担って生きている。この重大性がコロナによる活動停止で虚しく奪われたことについて「名誉毀損のせいだ」という短絡的な結論に落ち着いて大衆から支持されてしまったのはまったく好ましくないが、木村花さんはプロレス興行の世界にいたので、それだけ自粛のダメージが大きすぎて、ニヒリズムという難題を受け止められないのだろう。巣ごもり特需でたまたま儲かったという人もいるだろうが、少なからずの人が、自粛でダメージを受けた、もしくはそうでなくても、何も成長してないという虚無はある。人間がなかなかほんとうの意味ではパワーアップしないからこそ、活動の積み重ねに意義があるのだが、このアクティブ感がないと、人間は横這い、もしくは右肩下がりということになる。地球も太陽も銀河系も宇宙全体も、いずれも石ころと等価であるが、人間だけは、それと違う世界を生きているはずで、しかし、なかなか自粛生活では生きている実感が掴みづらく、空虚であった。ペストで自粛している間に偉大な発見を多数行ったニュートンという人物もいるが、たいていの人間はそうではないので、自分自身が頭打ちになっていることを痛感させられるのみである。

2022.05.09

粗暴とガサツ

女性ADHDを表現するときにガサツという言葉が使われる。明確な語源はないようである。ガサガサが語源という説も見かけたが、なんにせよスラングという枠になるだろう。ガサツという響きはそこはかとなく仏教用語めいており、日本人の感覚に合うのかもしれない。たとえば「断捨離」という造語は商標登録の問題があり面倒だが、ガサツは自然発生である。(もちろん商業利用しない限りは断捨離という単語を使ってもまったく問題ないが、使わないに越したことはない。もしくは商標問題を知っておいた方がいいであろう。迂闊に断捨離をテーマにしたビジネスの企画などやってしまうと大変である)。ともかくガサツは誰かの造語ではなく自然発生である。男性ADHDを表現するときは粗暴という言葉が多用されるが、女性ADHDを粗暴と呼ぶとしっくりこないので、ガサツというスラングが自然発生したと思う。ガサツを他の言葉で言い換えると「雑な性格」とか「大雑把な性格」となるだろう。ガサガサして雑だからガサツなのであろう、と思う。ガサツとは人間の性格に絞り込んだ言い方であり、「大雑把に言えば」ということはあっても、「ガサツに言えば」という言い回しは無い。ともかく男性ADHDは粗暴、女性ADHDはガサツであるようだ。おそらく女性は物腰柔らかに気配りできることが期待されていて、その期待にそぐわない場合の異形性を表現するために、性格類型としてガサツというスラングが発明された、と思う。雑な男性をガサツと評するのは誤用かどうかは不明だが、ほとんど使われないと思う。男性で雑な人はわりといるので、粗暴とまでいかなければ「あの人は大雑把」と言われる感じではないか。女性で大雑把な性格だと「大雑把」では済まない強い違和感があるので、ガサツという狭義のスラングが必要になるのだろう。特に若い女性はガサツと言われやすいが、おそらく女性がだらしない格好をすると胸元から下着(場合によっては乳首)が見えてしまうとか、ミニスカートを履くからこそ、下着を見せない立ち振舞いが求められるのである。なぜ女性の下着は性的なのか、何が何でも隠したいならミニスカートを履くのをやめればいいのではないか、もしくは、男性の乳首と女性の乳首の違いはなにかという問題が根底にありそうだが、そのあたりに注意深さが求められるのも、雑な女性にガサツというスラングが充てがわれる理由であろう。
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