かつてプロバイダは、ネットというフロンティアの最先端だった。僕らがインターネットを夢見て、その革命的な新天地に手を伸ばすには、プロバイダという凄腕の男の案内が必要だった。黎明期、そういう頼りがいのある彼らは間違いなく時代の最先端にいたのである。しかし今日においては誰もプロバイダを話題にしない。もはやプロバイダはプロメテウスではないし、それどころか滅び行く立場である。

ドットコムバブルに沸いた2000年、AOLがタイムワーナーを買収した。タイムワーナーはTIME誌やCNNなどを所有するオールドメディアの巨人であるが、新興企業のAOLがそれを上回ったのである。しかし、それはバブルでしかなかったので、現在ではAOLがタイムワーナーから分離される格好になっている。AOLは電話でのダイヤルアップサービスで圧倒的に強かった。ブロードバンドの時代が来れば自然と旗色は悪くなった。ブロードバンドにおいては、回線業者がそのままプロバイダを兼ねる。ここにおいて、古典的なプロバイダは役割がなくなるのである。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/1070406.stm
America's five-member Federal Trade Commission (FTC) voted unanimously in favour of the merger, following 11 months of studying what is now the $109bn purchase of Time Warner by AOL.
The companies have given assurances that consumers would have a choice of online providers, not just AOL, on Time Warner's cable internet systems

そもそもAOLがタイムワーナーを買収しようと考えたのは、ブロードバンド時代に備えて、タイムワーナーのケーブル網を手にしたかったからである。だが、FTCが合併を認める際に、タイムワーナーのケーブル網におけるプロバイダ事業はAOLが独占することが出来ない(ユーザーが望めば他のプロバイダにすることも出来る)となったので、回線を押さえることで生き残るという戦略はうまくいかなかった。


世界はそうやって進んでいくのだ。時代の最先端を担っていたはずの業種が衰退産業になっていく。これはプロバイダに限らない。

2005年にホリエモンがフジテレビを買おうとしたり、楽天がTBSを買おうとした。これが成功していても、たいしたことはなかった。将来的に解体される特権を手に入れても、あまり意味はない。(解体を加速する意味はあったかもしれないが)。断定的に言えるのは、長期的には放送局の特権性などないということだ。いずれ通信と放送がシームレスに融合されたら、テレビメディアの独占的な部分は消滅する。テレビ局とニコニコ生放送の境目が不分明になる。マスメディアは警察からリークしてもらえる立場にあり、そういう(特権的に情報をもらえる)記者クラブ的な優位性はあるが、これにしても永遠に続くわけではない。

電力事業でも自由化の流れになっている。大手電力会社が発電して送電するのが当然だと思っていたわけだが、そのあたりも自由化に向かっている。基本的にわれわれの世の中は、そういう方向になっているのだ。よくも悪くも没個性化され、低価格競争するだけなのだ。PC/AT互換機を独占したマイクロソフトのOSの勝ち方などは、とても希有な事例なのだ。







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