「脳を鍛えるには運動しかない」という本を読んだ。
トンデモ本の臭いがプンプンするタイトルだが、著者のジョン・J・レイティはこれまでに優れた脳科学の本を何冊も出している。
本書もきちんとした脳科学に基づいて書かれた本である。
この著者はADHD当事者の精神科医であり、ハーバード大学医学部准教授である。
要はADHDの世界的権威である。
「脳を鍛えるには運動しかない」という邦題だと、胡散臭い本という印象を受けるが、原題は「エクササイズと脳の革命的な新科学」である。

レイティによれば、鬱にせよADHDにせよ、痴呆症にせよ、有酸素運動の効果は非常に大きい。
有酸素運動により、脳内物質が分泌され、脳が鍛えられるのだ。
ADHDの改善にはドーパミンとノルアドレナリンの分泌を増やすことが重要だが、それには運動が最適である。
ADHDは「やる気」がないのが問題だが、これは脳の報酬中枢に問題があるからである。
報酬中枢は側坐核と呼ばれ、ドーパミンニューロンの束である。
猿の脳から側坐核を取り除くと、まったくやる気が無くなる。
また注意欠陥に関してだが、注意力は脳幹の青斑核を中心として機能する。
青斑核はノルアドレナリンを生成する箇所だが、ここがうまくいかないと、注意欠陥になるだけでなく、睡眠のオンオフもうまくいかなくなる。
またADHDは前頭前野のワーキングメモリに問題があることが多いが、これに関しても、ノルアドレナリンがシナプスを通る信号の質を高め、ドーパミンがノイズを抑えることで改善する。
ADHDは小脳に問題を抱えていることも多いが、これもドーパミンとノルアドレナリンで解決できる。

ドーパミンとノルアドレナリンを増やすには、薬で言うとリタリンなのだが、日本ではナルコレプシーしか処方されないし抜け道はない。
18歳までにADHDの診断を受けていれば、コンサータという(リタリンと似た)薬が処方可能である。
そういう診断を受けてなければ、薬で治す目途は立たない。
昨年からストラテラという薬が成人に処方可能になり、ベタナミンという薬は未診断でも可能だが、リタリンやコンサータのような強い効果は期待できない。

だから成人で未診断のADHDは運動するしかないのである。
運動でもドーパミンとノルアドレナリンは増える。
これは即座に増えるそうだ。
30分くらい有酸素運動をやれば増える。
もちろん効果がずっと続くわけではないが、毎朝起きてジョギングでもすれば、午前中くらいは快適に過ごせるだろう。
運動をすれば、リタリンが不要というわけではないが、リタリンが入手出来ない現状では運動でドーパミンとノルアドレナリンを増やすべきなのである。







スポンサードリンク

最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
リンク
スポンサードリンク
RSSフィード
プロフィール

ukdata

Author:ukdata
FC2ブログへようこそ!

katja1945uk-jp■yahoo.co.jp http://twitter.com/ukrss
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ
アクセスランキング