たとえば、宇宙から「単純労働してくれる生物」が大量に飛来したとしよう。食物を与えずとも、生命は維持できるとする。難しいことは出来ないがバイトレベルの単純労働ならやってくれる。

この宇宙生物は人類を豊かにしてくれるだろうか。マクドナルドの店員の大半はこの宇宙生物になるだろう。価格も大幅に下がる。単純労働に割かれていた人件費が革命的に圧縮されるのだ。

だが、そういう宇宙生物がいたら、たいていの人は貧困に陥るだろう。経済は交換によって成り立っている。交換の輪に入れない失業者は経済からハブられているということだ。多くのスキルのない人は、宇宙生物に単純労働を奪われ、難しい技能のある人だけが生き残る。

仮に地球の人口が非常に少ないとする。だとしたら、それぞれが王様になって、労働はその宇宙生物に任せればよい。だが、この大地には人間がひしめき合っている。自分の狭い家を除いては、誰かの私有財産である。もしくは国有財産かもしれないが、ともかく他人の所有権が貼り付けられているわけだ。手狭な家の中に宇宙生物をはべらせたところで邪魔になるだけだ。働かせるにしても、どこで働かせるのか。勝手に使える農地などないのだし、勝手に使える原材料など無い。地球上に農地や原材料がたくさんあっても、それは自分のものではない。起業家になって、その宇宙生物を有効活用するという案もあり得るが、この宇宙生物は無限にある。自分だけがこの宇宙生物を特権的に奴隷のように使えるならいいが、誰しも使えるなら、あまり意味がなさそうである。

ここでは「宇宙生物」と称してみたが、何百年後かの世界では、それこそすべてが自動化され単純労働のポジションさえ厳しくなるかもしれない。無人の工場でパソコンとかスマホを作れるようになったら、特別なスキルのない人は、どうやって収入を得るのだろうか。経済とは労働時間の売り買いであり、単純労働が売り物にならない世の中になったら、単純労働しか出来ない人が分け前にあずかる余地がないのである。少なくともこの21世紀の世界では生産能力や労働力は有り余っているわけである。それが吸収されないから、失業者が街に溢れているのである。この生産能力の過剰性はますます深刻になるだろう。買う人がいなければ、(作れば作るだけ赤字になるので)工場も動かせない。







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