以前から江田憲司は政界再編をしたがっていた。野党が結集するべきだというのである。これは五年前なら大義名分がある理屈だったが、寄せ集めの民主党が大失敗した姿を見せられた現在だと、「野党結集」とか「政界再編」は大義名分としての価値がとても低くなっている。

みんなの党というのは妙な政党であり、「維新と合流したい」という議員が多いのである。渡辺喜美はそれに神経を尖らせていた。江田憲司は橋下と渡辺喜美を対等とは見なしておらず、みんなの党を解党して橋下の元に結集したいということだから、渡辺喜美に利益がまったくないのだ。「維新と合流したい」というのも変な話で、それなら最初から維新で立候補しておけよ、という問題でもある。今回離党した連中の大半はみんなの党から比例で当選しており、ずいぶん変な話なのである。

前述したように、民主党という寄り合い所帯の失敗を見たら、政界再編など国民は期待しておらず、江田憲司が追放されて終幕のはずだった。江田憲司は優秀な人物だが、カリスマ性に問題があり、人望もない。だが、特定秘密保護法案が江田憲司に利することになった。特定秘密保護法案は安全保障に関する国家機密を守ろうというものなので、「官僚が何でも出来る」というマスメディアのキャンペーンは誇張であり、デマとさえ言いうるのだが、とはいえ、安全保障問題に絡めば官僚の権限が増えるという側面があるのも確かだ。みんなの党は官僚批判で支持を集めてきたのだから、ここは反自民でいかないと筋が通らないのだが、党内がゴタゴタしているので、渡辺喜美は自民に擦り寄ってしまった。みんなの党での渡辺喜美の立場が危ういので、自民に吸収されたいという色気が出たのだ。この大きな失策を突くことで、江田憲司は大義名分を得たのである。少なくとも、特定秘密保護法案に反対するキャンペーンにご執心なメディアは江田憲司を持ち上げるだろう。安全保障に限定されている特定秘密保護法案が原因で、官僚国家になるとは思えないのだが、江田憲司の新党は官僚批判の旗印として、メディアから支持されるはずだ。これから江田憲司は特定秘密保護法案に反対する闘士として英雄扱いになるのだろう。江田憲司は政局が読めないタイプだと思われるが、渡辺喜美が迷走し過ぎたので、拾いものの大義名分を得たのだ。

もはや誰も民主党を信じていないので、野党が空洞化しており、最近は自民党が無敵のような状態だったのだが、たぶん江田憲司が反自民の代表として、官僚批判を展開するのだろう。渡辺喜美はもっと早く江田憲司を追放しておくべきだったのである。江田憲司の「政界再編」に大義名分がない時に出しておけば、これほど多くの離党者を生まなかった。一般人だと、言動にいちいち大義名分が必要というわけではないが、政治家にはそれが重要である。特定秘密保護法案に対してメディアがこれだけネガキャンするとは渡辺喜美も思っていなかったはずなので、結果的にはこれに付け込まれた格好である。渡辺喜美が自民に擦り寄ったのは、安倍晋三内閣の圧倒的な支持率の高さを見て、その空気を読んだ上で、野党の空洞化を容認し、自民の補完勢力になることを選択したからだが、特定秘密保護法案で一気に風向きが変わったのである。







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