「紙の約束」(フィリップ・コガン)という本を読んでいたら、興味深い話が載っていたので、記しておこう。


1937年にケインズは人口減少を予測していたそうである。
講演でこんなことを言っていたそうだ。

「未来に関する社会的もしくは経済的要因については、他の何にもまして確実に分かっていることがある。これまで何十年、何百年にわたって経験してきた着実かつ急激な人口増加に代わって、われわれはごく近いうちに人口水準の停滞もしくは低下に直面するだろうということだ」


そして、これはケインズ独自の発想ではなく、当時のイギリスでは普通の考えだったという。
この頃のイギリス政府の統計部門は2000年までにイギリスの人口は減少し3400万人まで減ると予想していた。
現在のイギリスの人口は6000万人を越えているから、これは予想の大ハズレである。
移民の問題もあるだろうが、基本的には戦後のベビーブームである。
第二次世界大戦前夜において、これは予想の埒外だったようだ。

日本では少子化少子化と騒いでいるが、これも予測がハズレることはあるだろう。
今は都市部の人口が過密すぎる。
都市部の人間は人口の多さにウンザリしており、立錐の余地もない競争社会に子どもを送り出したくない。
そうかと言って、田舎は地元意識が強すぎるので移住したくない。

いずれ田舎の限界集落の老人が死に絶えて完全な無人になれば、田舎の「地元意識」が消滅してくれるので、かつて屯田兵が北海道に行ったような流れが起きる可能性もある。
地元意識の固まりの田舎は嫌だが、地方に無人の大地があるなら、新都市を建設して、そこに住みたいと思う人だっているだろう。

政治家は田舎の地元意識に訴えて票を得ているから、地元意識を鼓舞する側であり、田舎の無人化による新都市という発想は受け入れないが、黙って待っていれば田舎は無人化する。
田舎者の老人が限界集落を形成し、一票の格差と高い投票率で政治的発言力を持っている変な状況が終わってくれる。
「あの老人が寿命で死んでくれれば」という議論は公には出来ないので、そういう前提で問題が論じられることはないが、田舎が無人化すれば、次世代の若者にとって新天地となりうる。







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