恩田陸の「ユージニア」を読んでいたら、こんな一節があった。

そこにまた一人、年嵩のベテラン刑事が入ってくる。
やはりびしょ濡れで、いつも苦労して撫で付けている残り少ない髪が悲惨なことになっている。
「もうテレビと新聞が来てるよ。耳ざといこった」
挨拶代わりに文句を言う。

これは明らかにおかしい。
大手マスコミは警察で記者クラブ室を与えられており、そこで待機して御菓子を食べながら警察発表を待つのが仕事だ。
マスゴミ社員は記者クラブで情報を教えられて、社に連絡を入れて動き出す。
警察が発表するのを聞くのだからアスペでもわかるわけであり、「耳ざとい」というのは間違いだ。

誰かが逮捕される時にテレビカメラの放列があるのは、警察から教えられているからである。
マスコミに情報収集力があるはずがなく、行政の発表を独占し、それを報じているだけだ。
行政側も、大手マスコミを囲い込んでいるのである。
行政が出したい情報だけを(記者クラブ室で)大手マスコミに喋り、それによってコントロールしていくのである。
だから、警察のパチンコ利権は記事にならない。
そんなことを記者クラブでは教えないからである。

恩田陸は江戸川乱歩賞選考委員だが、推理小説でマスコミが出てくるとウザイので、(ワイドショー的なゴタゴタは)意図的に省くこともある。
殺人事件が起こってるのに、マスコミが押し掛けてる描写が無いことは多々あり、それは許されている。
だが、「ユージニア」ではそういう意図も感じられない。

事件が起こると各社とも、同じような記事の羅列になる。
共同通信や時事通信の記事を載せているのもあるが、自社で書いている記事でも横並びである。
記者クラブ室で御菓子を食べてジュースを飲みながら同じ話を聞いてるのだから、同じ記事になるのは当然だ。
あとは警察から怪しいと言われた人物をカメラでストーキングするのだから、権力の犬としか言いようがない。

ゆうちゃんの件で、逮捕された明治大学の19歳の学生は神奈川県警・横浜地検含めて46日間拘束されたのだが、「楽しそうな小学生を見て自分にない生き生きとしたものを感じ困らせてやろうと思った」という彼の供述は警察への上申書に書かれているので、これは取り調べた警察官が書かせたわけである。
記者クラブ依存のマスコミは、こういうのをチェックすることが出来ない。

「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と憲法第十五条に書いてある。
芦部「憲法」で、「公務員の意味」の記述はこうである。
普通の地方公務員も第十五条の公務員の定義に当て嵌まる。
広く立法・行政・司法に関する国および地方公共団体の事務を担当する職員を言う。
十五条一項は、これらすべての公務員につき、
その選定および罷免を直接に国民が行う、という趣旨ではない。
選定および罷免が、直接または間接に、
主権者たる国民の意思に基づくよう、
手続きが定められなければならないとの意である。

憲法違反という犯罪はないので、地方公務員法の問題となるが、「楽しそうな小学生を見て自分にない生き生きとしたものを感じ困らせてやろうと思った」という文を考えた警官をどうにかして欲しいものである。







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