われわれは「~と同じだ」というレトリックを普段から多用している。
意見を言う時に、強調表現として、「これはホロコーストと同じだ」みたいなのは海外でもよく言われるわけである。
本当にイコールというわけではなく、敢えて等号で結ぶことで、その問題を強調しよういう手法である。
これはかなり多用されているが、あまり自覚がないようである。

たとえば「万引きは殺人と同じだ」というのもレトリックとしてはあり得る。
万引きは店主にとって死活問題であるから、人殺しと同じとも言いうる。
「わたしにとっては殺されてるのと同じですよ」と店主が言うなら、もっともな話だと思うであろう。
だが、このレトリックを推し進めて、万引き犯を殺人罪で裁くとなると、それは話が違うであろう。

罪の重さについて本気で議論するのなら、「~と同じ」というレトリックを用いるべきではない。
法律家が、万引きと殺人の量刑判断を同じにすることは出来ない。
とはいえ「ナチスと同じだ」というレトリックの使用頻度の高さを考えると、これは世界的な病気であるようだし、病識がないようである。
外野としてレトリックを使うのは問題ないのだが、あくまで強調表現だという自覚が必要であろうし、真面目に量刑判断したいのならレトリックは用いるべきではない。

国連は裁判所ではないので、「~と同じ」というレトリックが多用されやすい。
慰安婦をsex slaveと呼ぶ問題に関しては、まずはレトリックの強調表現の問題を指摘しなければならないし、もしくは慰安婦を奴隷と呼ぶことに抗えないなら、ギリシャ時代のような使用人レベルの奴隷と、アメリカの人間扱いされない黒人奴隷の比較を歴史学的に行い、どれくらいのレベルの奴隷制なのかを考えるのも必要である。
ギリシャの奴隷とアメリカの黒人奴隷は、どう考えても同じではないし、奴隷というひとつの単語で全部ひっくるめるわけにはいかないだろう。
慰安婦をsex slaveと言う場合、ギリシャの奴隷を指してるなら近いかもしれないが、アメリカの黒人奴隷とは違うのではないか、という指摘も可能であろう。







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