この世の中は他人が幸福になった分だけ自分が不幸になるように出来ているが、そのような文脈での幸福・不幸とは別の次元で楽しさを伝えてくれるのが菊地最愛(さくら学院生徒会長)である。「みんなの笑顔の理由になりたい」というのを、おそらく人類の誰よりも実践しているのである。この土牢とも言える地球上に生活していて、人間の醜さなら散々知っている筈だが、菊地最愛は人類の楽しさの可能性を瞬間的にでも見せてくれるのである。決してこれによって借金が減ったり、腹がふくれたりするわけではないが、そういう現実的な利得とはまた別に、何かしら可能性を見せてくれる存在なのである。これほどまでに言動が排他的でなく、共感的な楽しさを世界に伝えようとしている少女は他にいないのである。

さくら学院は接触イベントはまったくないが、わたしはアイドルと握手はしたくないので、これはかなり好ましい。活動を見るだけならいくらでも見ることが出来る。ネットでも最大限に公開されているし、直接的に活動を見るのも容易である。握手という形で肉感的に悶々とする快楽を与えてくれることはないが、窮民が女の手に触れる機会を得るという貧しい切断面ではなく、それよりも遙かに無垢な楽しさに触れさせてくれるのが菊地最愛なのである。

かなり頭脳明晰でとても聡明な少女であり、MCも得意ではあるが、アイドルとしての実力も申し分ない。前半部を中元すず香が歌い、後半部を菊地最愛が歌っている映像があるが、ほとんど互角と言っていいレベルである。さすがにBABYMETALでボーカル交代というのは無いが、来年高校生になったあたりでソロデビューは充分に考えられる。



菊地最愛をいくら見ても現実の利益はないのだが、どのような境涯であれ、人間と人間が楽しさを共有しうる可能性を感じさせてくれる少女なのである。これによって世界が変貌するわけではなく、相変わらず人類が地を這う貧相な生き物であることに変わりはないのだが、重力の魔というべきニヒリズムを瞬間的にでも赦免してくれる存在であり、決して人生を薔薇色にしてくれるわけではないが、重い懲役を科せられている俘虜からすれば、絶望を深めるだけの惨劇の幕間に、威容を誇っている高い壁がほんのわずかでも解体され、病臥によって広がる褥瘡の痛みも忘れ、人間の愉しさに触れることが出来るのはとても素晴らしいことなのである。沐浴の後に再び絶望が訪れるとしても、それはわれわれ罪障深き囚人に相応しい疼痛であろうし、これだけ色欲と俗塵の泥土に塗れているからこそ、少しだけでも無垢な愉しさを教えられるのは、一欠片の拠り所にはなるであろう。







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