白鵬のファンは元からいないのである。朝青龍はサービス精神に満ちあふれていたから問題児でもすごい人気があったが、辛気くさい不景気な面をしている白鵬は人気など無かった。横綱になってから、取り口がズルいという不満を多くの人が持っていた。もちろん本当にズルをしているわけではないが、横綱なら普通はやらない立ち会いでの小細工を多用することに、多くの人が白けていた。しかし、なぜか立派な横綱という設定になっていた。メディアで言論統制していたわけではあるまい。朝青龍みたいにトラブルを起こすわけではないし、われわれも嘘だと知りつつ、優等生だと信じ込むことにしていたのである。われわれは普段の生活でもお互いの立ち位置については、あまり説明しないことにしている。バラエティー的なキャラいじりをすることもあるが、互いの立ち位置をメタで語ることは滅多にないのだし、白鵬に「あなたは仮面優等生やってくれればいいよ」と言葉に出しては言わない。大衆も本人も、その暗黙の了解を共有していた。白鵬を好きな人などほとんどいないのだが、不人気横綱にアンチ活動する意味がないし、われわれも黙過していた。やはりわれわれのアンチ活動のエネルギーは、チヤホヤされている人間に対しての反感である。嫉妬と解するのもいいし、ルサンチマンと呼ぶのもいいが、朝青龍がバッシングされていたのも、あの粗暴でユーモラスな人間性が観客を湧かせていたからである。最近の白鵬は憮然とした表情が目立つようになったが、それなりの期間、仮面優等生として役割をこなしていたのである。わたしもこいつの立ち位置は何か変だとは思っていたのだが、たぶんその仮面優等生ぶりは誰もが気付いているだろうし、決して詐欺的なわけではなく、相撲協会の都合に合わせてるんだし、この仮面を剥いで真実の素顔を暴き立てようという情熱は起こらなかった。白鵬は人間性の設定が八百長だったのである。白鵬の悪口を言うのがタブーだったわけではない。告発するような問題ではないし、彼の立ち位置の窮屈さを見やりながら、そらぞらしい思いをしていただけだ。日本人が弱すぎて、稀勢の里くらいしか白鵬とまともに戦える力士はいないのであり、11勝35敗だから、稀勢の里の方が弱いのは確かだが、まったく歯が立たないわけではない。日馬富士の17勝30敗が最も白鵬に対して健闘している数字であるし、横綱の鶴竜は4勝35敗で一方的にやられているのだ。稀勢の里をやたらと応援するのは観客として当然だと思うのだが、だんだん白鵬の怨嗟が積もり積もったようである。それが爆発したのが、あの不自然な取り直しだが、根本的に白鵬が不人気であり、われわれが仮面優等生として、白鵬を表面上リスペクトしていただけなのである。優等生が仮面なら、われわれのリスペクトも仮面だったのだ。人から好かれようなんて奴隷根性であるし、嫌われ者でいいのだが、白鵬の場合、嫌われ者として居直っていたわけではなく、相撲協会のために仮面優等生をやっていたから、いろいろ矛盾や葛藤を感じているはずである。やくみつるが悪い。あいつの所為で、嘘でもいいから優等生をやってくれと白鵬に要求することになったのである。まったく有徳者でもない人間が、大衆も含めた暗黙の合意の元で優等生という仮面をかぶってきたのだから、そろそろ無理が生じてきたのだろう。本当の人格者なら、日本人力士の弱さを嘆いている好角家の心情に配慮し、稀勢の里をライバルとして持ち上げてみせることもするだろうが、白鵬はあくまで仮面優等生だから、そんな心の余裕はない。さすがにこいつが生涯を通して優等生とか無理あるし、それも含めて、最近の暴君的な言動は、仮面優等生という欺瞞を暴き立てるトリックスター的な行動と見ることも出来る。







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