待つのは誰でも嫌いであろうが、その嫌い方の度が過ぎている人がいるわけである。ADHDの特徴として、待つのが嫌いというのがよく挙げられる。普段はゴロゴロして時間を浪費しているのに、待たされるとなると、自分の貴重な時間が奪い取られているという感覚を持つらしい。レジで五分待たされると「この俺の貴重な五分が」とイライラして暴れたくなるらしい。本当に一分一秒を惜しむような多忙な生活をしているのならわかるが、結局は会計を終えて自宅に帰ればゴロゴロしてネット三昧なのである。買い物をするのであれば、レジ待ちの時間くらいは想定内であろう。たぶんスーパーまで歩く時間については「この時間は無駄だ」とイライラしないであろうに、レジ待ちとなるとイライラするわけである。おそらく時間は貴重という理由は嘘であり、本当は何もしない状態が苦手なのである。動き続けて放電するのが好きだから、ただ待つという理想的な状態が嫌いなのである。レジ待ちは人間として理想的な状態と言って差し支えない。何もしないという状態は、実は落ち着きのある人の準備運動である。何もせずに待つという精神状態になってこそ、たとえば難しい本を開くということが出来る。これまでのタスクを一度切って頭のリソースを確保する作業である。ADHDがレジ待ちを嫌がるのは、時間が貴重だからではなく、放電を停止することが嫌なのである。ADHDは頭を空っぽに出来ないのであり、生まれてから死ぬまで雑念で満杯になっている。ネットサーフィンなら雑念塗れで多動しながら出来るが、読書だと、ひとまずタスクを止めて、読書に割くリソースを確保する必要がある。「何もしない」と「ゴロゴロする」のは端から見ていると同じだが、本人からするとまったく違うのである。ゴロゴロしている間は頭の中が雑念で一杯である。待つというのはただ単に身体を止めることではなく、雑念を掃除する作業でもあるから、ADHDがイライラするのも無理はない。







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