カスペルスキーのライセンスキーの更新をしたのだが、重力の魔というべきしんどい作業であった。お金を使うというのは本来は楽しい行為のはずなのに、なぜこれだけ暗鬱たるものなのであろう。これが有料アプリを買うのだとしたら楽しいはずだ。やはり倹約の範囲を逸脱した時に消費の楽しさが生じるのであり、カスペルスキーの更新料は払っても楽しくないのである。ウィルス対策ソフトを入れないわけにはいかないので、消費というよりは税金の類であろう。ヴェブレンの「有閑階級の理論」を引き合いに出すまでもなく、貴族的な奢侈こそが消費の愉しみである。カスペルスキーの更新料は奢侈の要素が一欠片もない。パソコンが壊れて新しいのを買うなら、新製品を手に入れる楽しさがあるが、カスペルスキーの更新料は、そのような新しさもないから楽しくない。人間が買い物で自己を拡張するのだとすれば、倹約はそのような広がりの否定なのである。さて、これは快楽-苦痛という文脈で話してきただけであり、快楽だから正しいとは限らない。快楽は風紀の紊乱でありソドムへの扉である。苦痛の方が選択として正しいことはよくあるのだ。教訓的な話を縷々と書き綴る必要はあるまいし、浪費癖で破滅する問題については筆を省いてもいいであろう。だが、500円くらいの有料アプリなら買うべきなのである。ネットが無料にこだわった結果として得られたものは少ない。ソーシャルゲームは、ネットでお金を使わないという倹約のルールを破るポトラッチの快楽であるし、その熱病に浮かされて粗忽きわまりない高額課金者が出てしまう。これなら少額の無駄遣いをした方が精神衛生上望ましいという気もする。ソーシャルゲームはレアリティを仮想的に作り出すことで、ただのデータなのに、傾城傾国の美女のような高嶺の花を作り出したのだが、この大衆消費社会では、たいていの商品はわれわれの嗜好を愉しませるようにパッケージされているし、本当の稀少品でなくとも少額で物珍しさを満たす奢侈が出来るようになっている。買うのが楽しいということにとどまらず、特別な高級品を見せびらかしたい願望に取り憑かれると破滅に向かう。







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