ジロジロ見るという行為がある。
これは相手が気付かない振りをするという確信に基づいている。
つまり、挑発的にガンを付けているのとは違うわけだ。
なんというか不審者扱いしているのである。

われわれは他人からジロジロ見られると、冤罪の恐怖を感じるわけである。
だから気付かない振りをするのである。
実際は、いらついている時などであれば睨み返すかもしれないし、そうすれば相手も引き下がるであろうから、不審者扱いされて警察に連れて行かれることなどあり得ないが、たいていは無難に気付かない振りをするのである。
もしくは挙動不審と思われる状態だったことを恥じることもあるだろう。

何にせよ、これが興味深いと思うのは、やはり不審者という概念が人間の根幹にあることである。
池田小の遺族が賠償金を取るために(宅間では賠償金を払えないから学校を悪者にするために)そういうブームを起こしたのが、比較的最近の事象ではあるが、それ以前でもたとえば宮崎勤の件でオタクを不審者扱いするとか、そういうのはあったわけである。

さすがに本当に危険そうな人間を見たらジロジロとは見ないのだし、たとえばヤクザを見かけてジロジロ見るなんてことはあり得ない。
危険人物と不審者は別枠である。
他人を見て、ガチで危険だと恐怖を感じたり、またそれとは別に、挙動不審だと思ったりする感覚は、おそらく本能的なものであろう。

もし挙動不審という概念がなかったら、人間は平気で鼻くそをほじりながら歩くかもしれないし、普段の所作をきちんとしておくという発想もないはず。
澄ました表情をするのも本能のひとつであろう。
そのあたりの品性というのはある程度は本能的な感覚なのである。

ジロジロと見られたら気付かない振りをするのも、池田小の不審者ブームは極端であったにせよ、挙動がおかしな人と犯罪者を混同するのは、おそらく本能的であるから、それに応じたものである。
もしくは、他人を見て「なんかこいつはおかしい」と思う感覚が本能的にあって、それが社会的に発達すると犯罪もしくは冤罪と結びつくのかもしれない。
ジロジロ見るというのは、自分がその目撃者たらんとする権力的な意志であろう。







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