https://twitter.com/yuuraku/status/779149372919472128

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キチガイという言葉は昔からあるわけだが、リアルの人間関係で頻繁に使われていたわけではないから、おそらくネットスラングと言ったほうが適切であろう。
それも、ネット初期のディベート文化が廃れた後の、ブロック時代のスラングである。
議論して勝敗を決めたり、理非を糺すのがあまりにも不毛であるとわかったので、このところわれわれはブロックで済ませることにしている。
キチガイと叫んで扉を閉ざすヒステリックな行為が共感性を呼ぶのがおもしろい。
Facebookのような実名SNSはあるにしても、やはり全体として匿名空間ではあるので、誰が誰だかわからない有耶無耶な世界であるし、白黒つける必要がないのである。
本当にキチガイかどうか長々と議論して決着をつける必要など無いから、そういうネットスラングでお手軽に納得できればいいわけだ。
自分が正義であるという短絡的な確信は、本来なら他人の正義と激しく衝突するはずなのだが、ネットだと誰が誰だかわからないので、お天気のような無難な話として着地するのである。
要するに酔っぱらいの愚痴であり、その中身に仔細まで踏み込まないわけである。
このキチガイという単語の共感性の強さからして、先制攻撃で相手をキチガイ呼ばわりしないとまずいから、ますます使用頻度が上がる。

この冒頭に掲げた、愚にもつかない意見がこうやってたくさんRTされるのは、おそらくキチガイというのを仮想敵として共有しており、魔女狩りだが異端審問だか知らないが、ともかく先手必勝が求められている時代なのである。
このツイートにしても、失笑せざるを得ないほどに平凡すぎる意見だが、この鋭さの一欠片もない一般性こそが共感を呼ぶのだろう。
「身の回りのキチガイ」という妙な括り方が跋扈し、それがひとびとの不満を生ぬるく包み込んでいるのである。
おそらく今のところ、これはネットの愚痴にとどまっており、リアル世界に侵食してないとは思うのだが、こういう匿名の気安さに馴染みすぎると、リアルで会うような相手をキチガイ呼ばわりしてトラブルに発展する懸念もなくはない。







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