昭和天皇は右翼を止めるべきだったと素朴に考える人もいるだろう。「おまえら迷惑だからやめろ」と言うべきだった、かもしれない。だが、明治憲法は立憲君主制だから、天皇が右翼に活動停止を求めるのが難しい。あと、時代背景からして共産主義者を最優先で取り締まらないといけないし、特高警察に両方取り締まれというのも難しい。

なにより、右翼のおそろしさは天皇から頼まれてないことである。親切の押し売りは、贈与の一撃である。断ったら面子を潰すことになる。天皇が右翼に「おまえら迷惑」と言ったら、右翼の面子を潰すことになる。右翼は天皇に頼まれてないからこそ、いわばストーカーと同じ人種であるし、「おまえら迷惑」と言っても逆恨みしか無い。

孝明天皇がたまたま死んだことで、長州藩が覇権を握ったのが明治維新である。孝明天皇は天然痘で死んでいるのだが、ほとんど恢復したのに死んだという不自然さもあり、長州藩が孝明天皇を殺したという想像は誰だってするだろう。

たまたま孝明天皇が死んだら、孝明天皇から蛇蝎のごとく嫌われていた長州藩が官軍となったのである。孝明天皇に好かれていた会津藩がどれだけ酷い目にあったかは、説明を割愛してよかろう。その顰みに倣い、昭和天皇がたまたま死ぬことだってあり得るわけだ。

ともかく、孝明天皇が長州藩に「おまえら迷惑」と言って排除したら、たまたま死んでしまった実例があるわけだ。憂国の人たちは、天皇に拒まれたくらいで引っ込むことはない。明治天皇は近代化を成し遂げた偉大な人物で、孝明天皇は異人を畏怖する頑迷固陋な人間として描かれるが、そういうバイアスを後から国民に植え付けるのは容易い。右翼は天皇の部下ではないのである。無教養のクズの集まりながらも、何が正義であるかを知っているらしく、誰から頼まれてもないのに、その正義を具現化してくれるのであるから、その尊厳の高みたるや、天皇陛下の御稜威を超えるのである。依頼されたことをやるのはサラリーマンとか、奴隷とか、そういう雇われ人種である。頼まれてないことをやる人は、サラリーマンと対極の、独立不羈の自由意志を持ち、思想集団の食客として居候しながらも貴族的な精神を持つ大芸術家であり、天下国家を論じ、天空から啓示される天意に従い、直情径行する権利があり、誰にも意志を売り渡さない不遜な帝王である。







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