浅田舞が両親や妹を怨んでいるのも、人間が理想を求め、怨敵を作る生き物だからである。
浅田舞は栄誉などまったく欲しくなかったのかというと、そうではないであろうし、気楽なポジションにいた妹の方が理想を叶えただけである。
ノルマを課せられないほうが傷痕が少なく予後がよいとしても、期待されなければ何も求めなかったわけではあるまい。

人間は他人に期待しては怨んだりするが、そもそも最初の動機が怨みなのである。
おそらくわれわれは怨みを晴らすために生きている。
理想が叶わないままでは死ねないのである。
われわれは屈辱や怨みを執念深く抱えており、それを晴らすつもりなのである。
そして、その仇討ちを他人に期待するのである。

この文脈で言う理想とは、理想主義とはまた別であろうし、誰でも思い描く薔薇色の未来であるが、そこに到達できず、怨みが生じてこそ人間である。
快楽/苦痛の落差でドラマが作られていく仕組みの中に存在している。
落下しても大丈夫なようにクッションを置けばいいという話でもあるまい。

他人に期待することが悪事と見なされないのは、おそらく、他人の成功を祈って何が悪いということなのだろうが、ノルマを果たせなかったら怨敵として扱うのだから、やはり身勝手である。
愛しては思い通りにならなくて怨むのが人間らしさでもあり、この悪事と見なされない業病こそが人生を形造っている。
不本意にも暗澹たる刻印を象嵌するとしても、また懲りずに愛するのであり、その大半が裏切られる繰り返しである。







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