2017.06.08

大人と親

かつて親は「大人の言うことを聞きなさい」と子どもに言っていた。
つまり、大人というのは、親から委任された存在であり、大人に逆らうなら、親の命令に逆らうのと同じだったのである。
最近では、そこらのおっさんを不審人物だと見做すことになっているが、これは親がそういう判断をしているからであろう。
ごく普通に近所の顔見知りが減ったという事情もあるが、「大人は怪しい」と子どもに教えているのだ。
これは適切であるだろうが、ともかく、誰の言うことを聞くか聞かないかは親が決めている。

かつて医者はすごい偉い存在であり威張り散らしていた。
これも親が「医者にだけは逆らってはいけない」と教えていたからである。
そういう教えがなくなったから、医者に不満があれば逆らう患者がたくさん出てきた。

学校教師も同じ話であり、昔の親は「先生の言うことを聞きなさい」と子どもに言っていたはずである。
最近は言わなくなったから、それに見合った関係になっている。

核家族化された社会であるし、もう親は「大人の言うことを聞け」と子どもには言わない。
ケースバイケースであろうし、これは家庭の価値観の問題だが、全体的に「大人の言うことを聞け」と言うことが減少している。

良し悪しについて、長々と述べるのは無益であろう。
だいたいの大人は親から委任されなくなったということなのである。
「医者に逆らってはいけない」と親から言われてない患者だらけになったのであり、これは時代の変化に伴い、上の世代まで浸透していると言える。

われわれが親から教育されているというのは、一種の誤解なのである。
実際は親から「教師の言うことを聞け」と言われて教師に隷従するとか、そういうことなのである。
親が「うちの子は悪くない」と居直るのはDQNの特徴だが、親がどれだけ他人に委任するかどうかで子どものパーソナリティーも決まる。
親が「うちの子が悪い」と卑屈に頭を下げるのも困った話だし、DQNのたくましさを考えると、このあたりはバランス感覚である。







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