手順を深く読んでいくのと、状況を観察して素直に気づくのとでは違うが、ここで語るのは後者の方である。昔からよくある喩えで言うと、朝に夫が出勤するとして、その間際にあれこれ言う妻がいるわけである。あくまで例え話だから最近は共働きが多いとかそこまでは考えない。ともかく、これから満員電車で出勤する夫としては「後にしてくれ」ということがある。これは人生のあちこちで体験することで「余計なことを思いつかないでほしい」と苛立つことはあるだろう。逆に絶妙のタイミングで示唆してくれる人もあるし、それは気が利くということだろう。たとえば慌ただしい出勤直前でもズボンのチャックを閉め忘れていると妻に指摘されたら感謝するだろうし、あるいはネクタイを締め忘れていてネクタイを手渡してくれるなら感謝であろうが、ほんの少しネクタイが曲がっているといって甲斐甲斐しく身繕いの押しつけをするなら独善的なお節介である。おそらく発達障害者は思いつきがズレており、なおかつ思いつきをバネ仕掛けのようにして生きているから始末が悪い。専業主婦のような暇人だと定型発達者でもエネルギーが有り余って発達障害者と同レベルになることがある。定型発達者でさえ閑居すると不善をなすのである。内面世界という苗床で愚にもつかない雑念を繁茂させつつ閃いたことと、外面世界をよく見て気づいたことでは違う。ズボンのチャックを閉めるとかネクタイを締めるとか、とりあえず社会慣習に沿った正解はある。究極的な真理ではないし、仔細まで一字一句取り決めた書面が合綴された契約があるわけでもなく、むしろ十年もすれば世相の風景が似ても似つかないほど様変わりすることもあるが、とりあえずナマモノとしてわれわれは存在しており、一億年先のことまで顧慮してないから、受胎してから壊死するまでの短い生命において妥当な正解は用意されている。時たま才気のある発達障害者もいるのだろうし、絶妙の閃きをすることもあろうが、大半はただの自閉だから、本人の中で盛り上がっているだけである。普段は怠惰で放肆な生活をほしいままにしている人間が、発情したから射精しておきたいという短絡的な思いつきを押し付けるとしたら、視野の反りが合わない苛立ちが頂点に達し、正常人は発達障害者に対してエスニッククレンジングを行うのである。







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