2018.06.29
ガサツと不潔
清潔感もしくは不潔で汚らしいというのは、容姿次第である。だがおそらくそれだけではなく、ガサツな印象も大きい。「マメな男性は女性にモテる」と言われるが、その問題である。やはりガサツだと周辺世界の端々に見落としが多く、その解像度の低さが不潔なのである。身だしなみを華美なお洒落と捉えてしまうと、古めかしい風紀委員の考えでは色気づいた素行不良となるが、細部まで神経が行き渡っているのは、浮ついているどころか無我の境地にもなり得るし、ひとつのエレガントな立ち振る舞いでもあり、身につけているものが高級品かどうかという話ではない。ガサツな人はたとえば毎日風呂に入っていても入ってないように思われてしまう。冒頭に述べたように容姿補正がかなり大きいので、美男美女ならガサツでいいかもしれないが、そうでない人は、ひとつひとつの立ち振る舞いがきちんとしていなければならない。身体の動きのひとつひとつに、それなりの考えがなければならない。不潔とは挙動不審者のことだとも言える。風呂に入っている回数が問題ではなく、どれだけ風呂に入ろうとも、身体動作がきちんとしてなければ不潔である。憐れな不細工から膏血を啜るが如く、醜悪なイメージが課徴金のように降りかかると考えているなら誤解であるし、死者にそこまで鞭は打たない。周辺世界への解像度や立ち振る舞いの洗練度の問題である。ズレている人は美男美女でもない限り不潔に見えるだけなのである。生まれつき足が畸形なら歩き方が可笑しくても嘲笑する人はいないが、健常者の所作がガサツだとしたら疎んじられても仕方あるまいし、時として欲情の垂れ流しに見える、というより、まさに発情して飛び跳ねている色情魔同然であるから、とりあえず不潔と呼ぶしかない。性的な穢らわしさを不潔ということもあるが、風呂に入らない不潔さと同じなのかもしれない。やはり夾雑物を垂れ流さない品位が求められる。
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