実需と懸け離れた地価に支えられていた土地バブル時代は崩落が容易く想像できたが、イベントや観光のようなサービス業の拡大が疫病によって頓挫するのは、まさに青天の霹靂と申し上げるしかない。世界的な疫病の懸念はずっと囁かれていたわけであるし、南海トラフ地震のようにいずれは起こりうるものであったが、観光やイベントは実需の裏付けがあり、決して土地バブルのような愚かしいものではなかった。なんにせよ、天変地異でご破算になるのは人類の歴史において繰り返されてきたことであり、こうなったら軍服に着替えるしかないのである。観光やイベントが図らずもバブルとなってしまった惨禍を前にして、非常事態の軍政を敷かねばなるまいが、つい最近まで浮かれ気分だった人間にそのような大役は担えないようである。景気低迷を大前提として、儲からない話ができる胆力が求められている。人災ではなく天災であるから、法的に責任を取るというよりは、この歴史的な惨劇において、倫理的な責め苦に甘んじるだけの器量がなくてはならない。誰かを見捨てざるを得ない状況があるとして、たいていの人間は遠巻きに模様眺めをしてしまうが、ここであえて切り捨てなければならないのである。あらゆる怨嗟を甘んじて受けつつも、折れない人間が必要である。われわれは経済社会の敗北者を自業自得と断じて見捨てることには慣れているし、誰かを蹴落とすことは日常茶飯事だが、天変地異で泣き叫ぶ無辜の民を見捨てることには慣れていない。火葬もままならないほど遺体袋が積み上げられるのであり、世界大戦であるから、この地球上を観光気分で歩くことなどできない。死と隣り合わせであるのは、そんなに悪いことではなく、人生は観光旅行ではないという生々しい実存に向き合わされるのであり、仮初めの通俗性から脱し、平穏無事ではないからこそ気づくことはたくさんある。







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