2020.06.02
有名人の住所を特定できる
誹謗中傷がうんたらで特定しようとか、そんな機運が盛り上がっている。なぜか指摘している人を見かけないが、有名人の多くは住所が不明である。実名を名乗ってテレビに出ていても、住所は非公開である。当然ながら、発信者特定の世界では、ここが公開可能になる。相手を特定するというのはこちらも特定されるのである。お互いが特定されるのである。政治家などは住所が最初からわかるが、だからこそ、政治家は何の心配もしてないのだろう。ともかく有名人は名前と顔を晒しているが、決してすべてを晒しているとは限らないので、そこはよく考えたほうがいいであろう。また無名人同士でも些細なことでお互いの住所を特定することになるわけである。また、誹謗中傷だけがテーマになっているが、それ以外の理由でも特定は可能になると思われる。たとえば著作権侵害などは誰でもやっているから、とりあえずそれで難癖をつけて特定するのは可能である。相手を特定するからには、こちらも特定されるのだが、それこそが望みという人間もいるだろう。ストーカー行為も可能である。ストーカー行為にならないように制限を付けるという意見を言う人もいるだろうが、どうやって制限を付けるのかは不明である。それこそ精神病の人が被害妄想でこちらを特定してくることもある。お互いに特定し合うことで得られるのは利益だけではない。弁護士は利益があるだろうが、それ以外の人間はよくお考えになったほうがいいという案件である。もちろん熟慮した上で、お互いの実名と住所を特定できる社会が望ましいと思うのであれば、それはそれでいいだろう。名誉毀損は最近は賠償金も高額で儲かるから、金儲けにはなるが、それがないとしたら、お互いの特定などあまりいいことではない。また、住所を晒してもいい有名人と、そうでない人の差もあるだろうし、このポジションによって意見も変わるのである。自らの立場にとって有利な発言をしようというのが人間であり、それは妨げられないが、自らに有利なルールを作るゲームであることは理解したほうがいいであろう。自分の住所は絶対に晒したくないという有名人は、誹謗中傷の規制に反対する可能性が高いし、だいたいそういうことなのである。
スポンサードリンク