なぜ大規模な店でも小さな店でも給付金が同じなのかというと、やはり一人一票だからである。大きな店がたくさん票を持っているのなら、それに応じた金額となるが、実際はそうではない。あくまで有権者の頭数なのである。自民党政権がカネを配るとはそういうことである。この根底にはわれわれの普段からの錯覚があり、駅前の洒落た飲食店は豪邸みたいな感じで、場末のスナックは貧乏くさいと思っている。実際は家賃がまったく違うので貧富の格差ではないし、駅前に洒落た大きな飲食店を出しているから大富豪というわけではないが、家賃が高いところで飲食店をやっていると金持ちだと錯覚されている。また、家賃は微々たる値上げしかできないので、ボロボロの飲食店は相場より家賃が安いことが多い。それは知りつつも、政府は場末のスナックの狂言めいた悲鳴に応じて給付金を支払い、有権者の票を買っているのである。大きなチェーン店は匿名的で不特定多数の有象無象が集まるだけだが、スナックは顔が見えるし常連客の結びつきも強いから、有権者としてくっきりしている。この自民党政権の思惑が奏功するかは謎である。全員に配るとバラマキが薄まってしまうからピンポイントで票を買うわけだが、平時であれば不自然な税金の使われ方が看過されるとしても、今回は見逃すわけにはいかないし、大規模な飲食店に関わっている顔が見えないひとたちはさぞかし怨みが深いであろうし、そもそも飲食とは関わりがない他業種ならなおさらである。顔が見えるところだけに対応した結果がどうなるかである。小規模店が自粛して大規模店が営業を強行するのでは意味があるまいし、顔が見える支持者への関心の強さが政治を蝕んでいる。まったく補償されないひとたちから見れば、コロナでマスクに覆われて、さらに顔が見えない存在として軽んじられ、自尊心がズタズタであろう。どうすれば解決するというわけでもなく、厄介な感染症を前にお手上げなのであるが、飛沫感染というからには唾液がメインであるし、なぜそこまでして他人と同席して食べ物を咀嚼して唾液を交換したいのか疑問である。この軟禁状態から脱走して顔が見える世界に行きたいとなると飲食店なのかもしれないが、入院中に抜け出して温泉に行った人間と変わりあるまい。







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