https://twitter.com/ArimInfo/status/1355435313254920199
69arimura.png


有村悠さんが九州の山奥から東京大学に進学したのが23年前であるが、この41歳の田舎者のママンも加齢して69歳ということだ。世界的な感染症の蔓延により、無機質な能面が連なるような社会になっているわけだが、有村悠さんは、自らと他人がいずれも死骸であるような世界像を20年にわたり生き続けているので、この苦界に馴染んでいるように思われる。他者はソーシャルディスタンスで疎外され、間近にいる身内だけが生々しいという憂いも、かなり馴れてらっしゃるわけだ。自らが本当に生きているのか、それともすでに過去帳に載っている亡霊なのか、そのような実存的不安のベテランである。コロナについては、ワクチンが予想以上に効きそうなので、さすがに次の冬には克服できていると思われるが、有村悠さんの親子は、あと十年か二十年か、もしくはそれ以上この茫漠たる世界に留まり続け、ソーシャルディスタンスの世界を生きるわけである。現在の世界は、他者との遠近感が難しく、有村悠さんの20年と似通っているが、ではわれわれが有村悠さんから学ぶべきことがあるのかというと、なんとも言えない。有村悠さんは東大文学部西洋史学科を退学処分になっているわけだが、我慢して勉強していれば現在はマシだっただろうと言えるし、やはり耐えるしかない時間帯もあるのである。猛勉強していたら東大文学部西洋史学科を卒業できていたのかというと判然としないし、九州の山奥の母子家庭という出自を考えるに、どっちみち結果は変わらないかもしれないが、どうせ退学なら勉強しないほうが心地よいという考え方が不味そうである。われわれは昨今の社会情勢で心が晴れ晴れとしていても変であるし、社会が免疫を獲得するまで、この痛みは癒えないのであるから、現在の満足度を刹那的に上げるために腐心するのは、賽の河原で石を積むに等しい。病んでいるときは病んでおいた方が回復は早いであろうし、かといって有村悠さんのように無理して病んで傷を膿ませるのもよくないし、この寒々しい払暁において他者という存在について想いを這わせるのである。







スポンサードリンク

最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
リンク
スポンサードリンク
RSSフィード
プロフィール

ukdata

Author:ukdata
FC2ブログへようこそ!

katja1945uk-jp■yahoo.co.jp http://twitter.com/ukrss
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ
アクセスランキング