2021.04.01

怠け癖と虐待

親がきちんとしていて、自然に子どもがきちんとしているというのが望ましいが、世の中そううまくはいかない。怠けて他人に押し付けるという怠惰の競争が発生することがある。怠けるというのは、本人の問題だけではなく、頑張ると仕事が増えてしまうという環境の悪さへの適応でもある。率先して頑張る人に仕事が集中するのでは、怠けたほうがいいことにもなる。一種のチキンレースである。誰が雑用をするかという集団生活の基本的なテーマは永遠の悩みである。まずは、頑張ると仕事が増えて損するというモラル崩壊を生まない環境づくりが必要である。経済社会では仕事が増えると収入が増える仕組みは可能である。他人の倍の仕事をしても給料が変わらない事態も発生しうるが、これは制度的な改善の余地がある。家庭や学校では身内で役割分担することになるから話が違う。育ちのよい人が集まる家庭や学校なら、それぞれが率先してやる環境なのだろうが、世の中そういう人ばかりではない。であるから環境が悪いと、徹底してサボって他人にやらせる方向になってしまう。たとえば有村悠さん(41歳)は、鬱で寝込んでいて持続化給付金をもらったそうである。これなどはまさに底辺へ堕落する競争で給付金を勝ち取ったわけだが、実は失っているものの方が大きいという好個の事例であろう。有村悠さんは虐待被害の妄想を抱いているが、生死が危ぶまれるような虐待の被害にあったというのではなく、それぞれが率先して物事を改善していく家庭環境ではなかったのである。さきほどから「率先して」という言い回しを繰り返しているが、これはつまり、誰かがやらなければならないような雑用があるとして、それを他人に押し付けず、自ら進んで片付けようという姿勢である。他人が捨てたゴミを拾いたくないという意地は誰にでもありうるが、たいしてしんどくないので、育ちのいい人は自分で拾って片付けてしまう。北風と太陽のような話でもあるが、劣悪な環境においては、他人が捨てたゴミを拾うと、そのままゴミ当番を押し付けられるリスクがある。「あのゴミも拾ってこい」と言われて仕事が増えてしまう。そういう陋劣さが蔓延する環境においては、お互いに怠惰を競い合い「こいつは人の言うことを聞かない」という批判的感情が募る。では言うことを聞かせるためにどうするかというと他人の奴隷化であり、虐待である。怠けるのはよくないという単純な話ではなく、仕事をしてしまうと仕事をさらに押し付けられるという人類の業病があり、だから怠けておかないとまずいというのがあり、そのお互いの堕落に不満を抱き殺伐とするのである。







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