福本伸行のカイジでも印象に残る場面があったが、大人は説明しない。理由を言うと反論されるので、何も言わずに粛々と進めたほうがいい。理由を説明すると負けてしまうのである。説明しないことによる不満の蓄積もあろうが、むしろ不満を踏みつけてこそ、抑圧的な権力として機能するので、場合によっては力になる。スガはこの権力を使い慣れており、他人の不満を等閑に付しながら無言で進めていくのだが、あまりにもひとびとを黙殺しすぎたから嫌悪され退陣するのである。そもそも説明する能力自体もないであろうが、説明しないほうが捗るという現実があり、それが故に首相まで上り詰めることができた。コロナによって首相になったのだから、コロナで不運というのは違うが、説明が求められる状況で説明能力がなかった。説明抜きで物事が進んでいくという大人社会のやり方が、今回は破綻したのである。われわれの普段の人間関係においても、理由を言えば納得してもらえるものではなく、むしろ逆であるから、スガは異常でなく、むしろ正常で健常者なのであるが、理由を言わない正常さが、ここにきてひとびとの不満に押しつぶされたのである。横浜市長選挙を始めとする、無言の抗議として現れた。やはり理由を説明すると、相手に反論の機会を与えてしまうので、理由を言わない戦略は多用されるのだが、(特に正常な人ほど多用するのだが)、たまたま正常な人間が敗北する状況だったのである。不満を持った人々が黙っているというのは、所詮は弱者の不平不満なので、これを黙殺してこそ強者たる所以なのだが、選挙制度でその不満が数の力を持って露呈することもあるのだ。だから選挙には行ったほうがよいのである。普段は黙殺されている人こそ選挙に行かなければならない。







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