この二年くらい試合には出ないでバットを握って素振りだけして、まったく成長してないと痛感する。「コロナのせいで生きた球を打っていない」という言い訳もできるだろう。それはそうだ。とはいえ、問題の本質は、人間がたいして成長しないことにある。そもそも出世というのは演出であるし、たとえば、平社員→係長→課長→部長と役職が変わるとしても、これは予定調和である。能力がパワーアップした結果ではない。能力そのものはパワーアップしないし、むしろ加齢で退化する。人間は活動するしかなく、それがゆえに木村花さんの悲劇もあった。生きていれば成長したわけでもないだろうが、活動の積み重ねに何かしらの価値はあったはず。人生の重大性というのは人間的な感覚であるし、人という生き物の幻想でしかないが、とりあえず生命体として、われわれは石ころではないので、人間的な重大性を担って生きている。この重大性がコロナによる活動停止で虚しく奪われたことについて「名誉毀損のせいだ」という短絡的な結論に落ち着いて大衆から支持されてしまったのはまったく好ましくないが、木村花さんはプロレス興行の世界にいたので、それだけ自粛のダメージが大きすぎて、ニヒリズムという難題を受け止められないのだろう。巣ごもり特需でたまたま儲かったという人もいるだろうが、少なからずの人が、自粛でダメージを受けた、もしくはそうでなくても、何も成長してないという虚無はある。人間がなかなかほんとうの意味ではパワーアップしないからこそ、活動の積み重ねに意義があるのだが、このアクティブ感がないと、人間は横這い、もしくは右肩下がりということになる。地球も太陽も銀河系も宇宙全体も、いずれも石ころと等価であるが、人間だけは、それと違う世界を生きているはずで、しかし、なかなか自粛生活では生きている実感が掴みづらく、空虚であった。ペストで自粛している間に偉大な発見を多数行ったニュートンという人物もいるが、たいていの人間はそうではないので、自分自身が頭打ちになっていることを痛感させられるのみである。








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